ニホンカナヘビ・ニホントカゲ・レオパの健康と病気について

健康確認のポイントは、普段の様子と違う行動をとっているかどうかを把握することです。可能な限り飼育日記(記録)をつけることをおすすめします。これにより異変に気付きやすくなり、いざ動物病院へ連れて行くこととなった場合も状況を説明しやすくなるため、診断もしやすくなります。

元気

日頃の観察で体調不良のサインを見逃さない

日頃から観察していると、生体の行動パターンを把握することができます。例えば、家のカナヘビやニホントカゲは、毎朝バスキングライトをつけると数分後には隠れ家から出てきてライトを浴びに行きます。レオパは、消灯後数分でシェルターから出てきてケース内を動き回ります。これらの行動が、ある日突然なくなった場合は、体調不良のサインである可能性があります。

脱皮の観察も大切

カナヘビやニホントカゲの脱皮は、比較的早く終わります。脱皮当日は、食欲や行動が控えめになる個体がいるかもしれませんが脱皮後は、食欲が戻ります。

レオパの脱皮は、数日前から始まります。脱皮が近づくと、皮膚が白くなりあまりシェルターからでなくなったり食欲が減ることもあります。しかし、脱皮はシェルターの中で夜中に行われるため、気づかないこともあります。レオパの脱皮には周期があり、個体によって異なります。脱皮の周期を確認するためにも、脱皮に気づいた際に記録しておくとよいでしょう。

糞・尿

健康な便の特徴と消化不良の原因

健康な便は、固形で白い尿酸が便と一緒にくっついて出てきます。便の色は通常、黒に近い茶色ですが、レオパの場合、脱皮後の便は食べた白い皮が原因で白くなることがあります。

消化不良により、食べたものが未消化で出てくることがあります。虫の外骨格は特に消化されにくいので、消化不良の原因となります。多くの原因は、低温による消化不良です。給餌後は、ケージ内温度をしっかり上げることで、消化不良を防ぐことができます。
 

消化不良の症状と対処法


下痢:腐敗した餌や水を摂取した可能性があります。餌や水の見直しと、整腸作用のある爬虫類用サプリメント(レプラーゼ)を与えて様子を見ます。数日経っても改善しない場合は、動物病院を受診しましょう。


便秘:水分不足や腸閉塞が考えられます。1週間便が確認できない場合は、整腸作用のある爬虫類用サプリメント(レプラーゼ)を与えたり、餌に水分を含ませてふやかしたりして様子を見ます。数日経っても糞が出ない場合は、動物病院を受診しましょう。一方、通常の給餌間隔になっても餌を食べない場合は、腸閉塞を疑います。床材の誤食や、餌の与えすぎによる詰まりなどが原因で起こりますので、動物病院を受診しましょう。 
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食欲不振

毎食の量と頻度と給餌時の環境をしっかり把握することで、食欲の有無を確認できます。
食欲は様々な理由で低下します:

  • 飼い始めた当日・翌日は新しい環境に慣れていないことから食べない個体が多いです。お迎え後2日間くらい時間をおいた後に餌をあげることを食べてくれることが多いです。成体であれば1週間くらい食べないなんてこともありますが、最初は水入れだけでも入れておいて様子を見ることが大事です。あまり初日から頻繁に餌をあげようとするとストレスとなり余計食べなくなってしまうことがあります。
  • ケージ内の温度低下:
    爬虫類共通の現象として低温になると食欲が落ちます。飼育ケージ内の温度が下がりすぎていないか確認し加温器具の故障や電源入れ忘れ、温度設定が誤っていないか確認しましょう。
  • 幼少期からの成長:
    幼少期は3種共に食欲があります。毎日または2日に1回は給餌すれば通常は食べます。アダルトサイズになってくると温度等環境は同じでも成長に必要な栄養が減りますので食欲が自然と落ちてきます。一般的にアダルトになったら3種共に給餌感覚は2~3日に1回で大丈夫です。レオパに関してはもっと間隔をあけて1週間に1回でも十分なことがあります。
  • 餌の大きさと種類:
    頭より大きな餌は食べないことがあります。また無理に食べさせようとすると消化器官に負担・詰まりを起こる可能性もあるため頭より小さい餌を用意しましょう。
    3種共に活餌(生きた昆虫)が本能的にも一番食べます。個体によっては人工餌、冷凍餌など活餌以外は食べないこともありますので、これらを与えても食べない場合は活餌に切り替える必要があります。
  • 病気を疑うとき:
    個体の体重(ハンドリングしやすいレオパであれば月1回は体重測定をお勧めします)・レオパであれば尻尾の太さ、カナヘビとニホントカゲであればお腹周りの太さで餌が足りているかどうか把握できます。明らかに痩せてきた、上記にあるような環境の変化も無いのに食べない場合は病気を疑う必要があります。


くる病(無対策の場合高確率で発症してしまうので特に注意が必要です)

カルシウム不足(およびカルシウム吸収に必要なビタミンD3不足)によって引き起こされる病気です。この病気は骨が軟化し、骨の変形が生じるため、放置すると命にかかわります。

原因:
昆虫のみの食事では、基本的にカルシウムが不足します。ワラジムシやフェニックスワームなどの例外を除き、爬虫類の活餌や冷凍コオロギはカルシウムが不足しています。そのため、サプリメントを摂らない限り、くる病にかかるリスクが非常に高まります。

カナヘビやニホントカゲに関しては、ビタミンD3はUVB(紫外線)にさらされることで生成されます。したがって、UVB不足によるビタミンD3の不足は、結果的にカルシウム不足につながる可能性があります。

レオパについても、UVBにさらされない場合や餌にビタミンD3が含まれていない場合、同様にくる病のリスクが存在します。 


予防策:
高カルシウムの餌を与える

  • 3種に共通して与えられる高カルシウムの餌として、アメリカミズアブの幼虫(フェニックスワーム)が知られています。これは活餌や乾燥餌として入手可能です(通販で購入できます)。
  • 人工餌にはカルシウムやトカゲ類の成長に必要な他の栄養素が含まれています。食べてくれる個体には、主食として人工餌を与えることをおすすめします。レオパには専用の餌が通販やペットショップで手に入ります。カナヘビやニホントカゲにも、レオパ用またはフトアゴヒゲトカゲ用の餌が適しています(すべての個体がこれを食べるわけではありません)。
  • カナヘビやニホントカゲにはワラジムシ(食べない個体もいます)が適しています。ワラジムシも高カルシウムな餌ですが、硬すぎずこれを食べる個体もいます(特にホソワラジムシが好まれるようです)。ダンゴムシも高カルシウムですが、硬すぎてほとんど食べないです。


これらの選択肢は入手の難しさや食べない個体もいるため、他の主食にカルシウム豊富な餌(コオロギ・ミルワーム・ローチ類など)をガットローディング(餌の中に栄養を含ませること)させ、さらにカルシウム単剤(毎食)、カルシウム+ビタミンD3混合剤(1週間に1回)、ビタミンD3を含むマルチビタミン剤(月1~2回)を定期的に添加することが、カルシウムや他のビタミン・ミネラルを補給する確実な方法です。

ビタミンD3の補給

  • カナヘビとニホントカゲには、ビタミンD3生成のためにUVBライトの照射が必要です。ただし、窓越しやケース越しの日光やUVBライトでは、ほとんどのUVBが遮断されるため、ケージの蓋を外したり網を張った蓋越しでUVBライトを当てることをおすすめします。ケージ外で直接日光を浴びさせる方法もありますが、ケージ内の温度が急上昇し、熱中症で死んでしまうリスクが高まるため、注意が必要です。UVBライトUVBも放出するバスキングライトは通販やペットショップで手に入りますので、昼行性の爬虫類を飼う際には必須のアイテムとしておすすめします。また、カナヘビとニホントカゲにはUVBライトと併用して、ビタミンD3が含まれるサプリメントを与えることもおすすめします。ただし、サプリメントは過剰摂取すると有毒ですので、週に1回程度の使用にとどめましょう。
  • レオパについても、海外の研究からUVBライトの照射によってビタミンD3が生成される可能性が示唆されています。ただし、長年の飼育経験から、餌にビタミンD3が含まれていればUVBライトがなくてもくる病にならないことがわかっています。したがって、餌とサプリメントに注意を払うことで、健康を保つことができます。人工餌以外の餌を主食とする場合はビタミンD3配合のカルシウム剤を月1回は与えることおすすめします。


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肥満

高脂肪の餌を頻繁に与えることや、通常の餌でも高頻度で給餌することは肥満につながることがあります。特にレオパの場合、尻尾の太さが首よりも太い場合は肥満気味です。3種共通して、腹部の膨らみ具合も肥満かどうかを判断する指標になります。

予防・対処法:
高脂肪の餌、例えばハニーワームのようなものは、主食として与えるのではなく、2週間に1回程度の頻度で与えることをおすすめします。
カナヘビやニホントカゲについては、2~3日に1回の給餌が適しており、レオパも同様かそれ以上の間隔で給餌しても問題ありません。個々の個体の尻尾の太さや腹部の膨らみ具合から、適切な餌の量と給餌間隔を調整することが必要です。

低温火傷

特に冬に起こりやすいです。ケージ内温度が低くパネルヒーターが主な加温器具の場合、パネルヒーターから一日中動かなくなり足の裏などヒーターにくっついたままの部位が火傷を起こしてしまうことがあります。

予防:
冬でもケージ内温度を昼はパネルヒーターを使わなくても25度以上を保てるよう、バスキングライトなどの加温道具を使い、夜でも20度以上保ちパネルヒーターは夜のみ使うことで低温火傷しにくくなります。

対処法:
火傷してしまった場合、皮膚が壊死して黒っぽくなるので、動物病院へ行って治療してもらいましょう。 

卵詰まり

卵を抱えているカナヘビ・ニホントカゲのメスを飼育し始めた場合、産卵することがあります。一方で、様々な理由で産卵ができない状態になり、卵詰まりを起こしてしまうことがあります。放置すると死亡する可能性があるため、卵詰まりを疑った場合は動物病院で診てもらい、処置してもらうことをおすすめします。

原因と予防:
適切な産卵場所がない、他の個体やオスによって産卵が妨げられる、カルシウム不足、重度の肥満などが原因とされています。そのため、メスの腹部が膨らんで卵を抱えていると思われる場合は、湿った土での産卵場所を用意し、カルシウム不足に注意し、多頭飼いを見直すなどの対策がおすすめです。

ここで紹介したのは代表的な健康・病気ですが、他にもさまざまな病気が存在しますので、個体に異常が見られ改善しない場合は、速やかに動物病院へ連れて行ってあげてください。そのためにも、飼育を始める前から、爬虫類を診察してくれる動物病院を把握しておくことをおすすめします。